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白無垢の歴史を徹底解説!結婚式で着る理由や3つの意味を詳しく紹介

白無垢の歴史を徹底解説!結婚式で着る理由や3つの意味を詳しく紹介

「白無垢にはどんな歴史がある?」
「なぜ結婚式で白無垢を着るの?」
「白無垢の歴史を調べたうえで、着用するか決めたい」

と考えていませんか。

結婚式の衣装の中でも人気が高い白無垢は、日本で古くから用いられている婚礼衣装です。

白無垢の歴史を知り、白無垢に込められた意味を把握した上で着用すれば、より一層心に残る結婚式が行なえるでしょう。

本記事では、白無垢を着用したいと考えている方に向けて、以下の内容を解説します。

  • 白無垢の歴史
  • 白無垢を着用する意味
  • 着るタイミング
  • 注意点
  • 色打掛について

白無垢の歴史を知り、伝統的な衣装を着用して素敵な結婚式を挙げたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

白無垢の歴史:いつから結婚式で着られているの?

結婚式で白い衣装を身につける習慣は、平安時代の頃からあったとされています。

室町時代に入り、幕府によって婚礼の作法や衣装が定められて、白無垢が着用されるようになります。江戸時代には、下着や打掛の裏に紅色を使用して、白一色の婚礼衣装に色を取り入れるようになりました。

なお、白無垢が神前式の衣装として定着したのは、明治時代に入ってから。初めて神前式を行ったのは明治30年7月21日で、男爵の高木兼寛氏(たかき かねひろ)の神前結婚式とされています。

この頃の結婚式は新郎の自宅で行うのが通常であり、人前で結婚式を挙げる習慣はありませんでした。

そして明治33年5月10日に「皇室御婚令」が発布されると、皇太子の嘉仁(よしひと)親王(後の大正天皇)の御婚儀が行われ、人前で結婚式を執り行う神前式が広く知れ渡るようになりました。

白無垢は、現在でも神前式の正式な婚礼衣装として着用されています。

白無垢を着用する際の小物に関する歴史・由来

白無垢を着用するときには、さまざまな小物を身につけるのが基本です。現在では装飾品として用いられていますが、それぞれ歴史や由来があります。

ここでは、いくつかの小物の歴史や由来について紹介します。

  • 綿帽子
  • 角隠し
  • かんざし・こうがい
  • 筥迫(はこせこ)
  • 懐剣(かいけん)
  • 抱帯(かかえおび)

1つずつ見てみましょう。

綿帽子 

綿帽子は白無垢のみに合わせるのが基本です。室町時代あたりから、女性は外出時に防寒やホコリよけのために被り物をしていました。次第に、婚礼用の被り物として用いられるようになったと言われています。

角隠し

角隠しは「角を隠して嫁ぎ先の家に従順になる」という意味が込められています。綿帽子から変化したものであり、角隠しを被るようになったのは、江戸時代あたりです。

なお、角隠しは綿帽子とは異なり、色打掛にも合わせることが可能です。

かんざし・こうがい

白無垢を着用する際の髪飾りとしてよく選ばれるかんざし(簪)やこうがい(笄)。かんざしやこうがいは先が尖っていることから、古くからお守りや魔除けとして髪に挿すものでした。

次第に、髪をまとめるものから髪を飾るものとして用途が変化しています。江戸時代には花びらをモチーフにしたかんざしやつまみ細工を施したかんざしが誕生しました。

日本に古くから伝わる装飾品は和の雰囲気によく似合い、白無垢を着る際の髪飾りとして用いられています。

筥迫(はこせこ)

筥迫は、武家の女性が打掛を着用する際にふところに入れていた小物入れです。懐紙やお香、お守り、化粧道具などを入れるものとして使われていました。現在でも白無垢を着用する際に用いられますが、小物入れとしてではなく胸元を飾るアクセサリーとしての役割を果たします。

懐剣(かいけん)

懐剣は、武家の女性が自分を守るために持っていた短剣のことです。お守りや魔除けの意味も込められています。結婚式の小物として広まったのは明治時代以降とのこと。白無垢を着用する際は、帯に差す装飾品としての役割を果たします。

抱帯(かかえおび)

抱え帯は、帯を抱えるように巻く細帯のことを指します。元々は、階級の高い家の女性が長い着物の裾を短くするために使われていました。着物の裾を短くすることで動きやすくなることから「自由」を意味するものでもあります。

現在、抱え帯は婚礼衣装のみで用いられる小物で、装飾のために着用します。

白無垢を着用するときの小物については、関連記事「【おしゃれ度UP】白無垢を着るときの飾り小物10選!色のイメージも解説」にて詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

花嫁が白無垢を着る3つの意味

白無垢には意味が込められています。ここでは、3つの項目に分けて、どんな意味が込められているのか解説します。

  1. 穢れを払う
  2. 婚家に染まる
  3. 新しく生まれ変わる

詳しく見てみましょう。

1.穢れを払う

結婚式で白い衣装を着用することは「新婦の身を清浄し、穢れを払った姿で神に誓う」という意味が込められています。

神前式では初めに「修祓の儀(しゅばつのぎ)」という儀式を行い、罪や穢れを祓って身を清めるのが基本です。

2.婚家に染まる

白には「純潔」の意味があります。花嫁が真っ白な白無垢を着用するのは「相手の家の色に染まる」という意味が込められているためです。白い衣装を着用することで、相手と最後まで添い遂げるという覚悟の表れでもあります。

3.新しく生まれ変わる

白無垢は「結婚をきっかけにして新しく生まれ変わる」という意味が込められています。日本では、白は神聖な色と考えられていました。生まれたときに着る産着も、死者に着せる死装束も白です。

そして、花嫁衣装の白は「この世のものではない」という意味もあります。つまり「生家の娘として死に、婚家の嫁として誕生する」ということ。結婚することが人生において大切なものであるのは、今も昔も変わりません。

なお、白無垢の小物や柄に込められた想いを知りたい方は、別記事「結婚式で白無垢を選ぶ意味とは?小物や柄に込められた想いまで徹底解説」にて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

白無垢を着るタイミング

白無垢を着用するタイミングは、大きく2つに分けられます。

  1. 結婚式
  2. 前撮り・後撮り

どんなシーンで着用するのか、詳しく見てみましょう。

1.結婚式

白無垢は、神前式や仏前式、人前式といった結婚式で着用するものです。それぞれの儀式の違いは、以下のとおりです。

  • 神前式:神社で神に愛を誓う。両家の親族のみが列席するのが基本
  • 仏前式:お寺で仏様やご先祖様に結婚を報告する
  • 人前式:場所や形式が自由なスタイル。洋装・和装は問わず、列席者に愛を誓う。チャペルで白無垢の着用も可能

「結婚式」という神聖な儀式でしか着られない白無垢だからこそ、特別感を得られます。

2.前撮り・後撮り

結婚式の前撮りや後撮りで、写真に残すために白無垢を着用する方も多くいます。和婚の場合、式当日はさまざまな儀式があり、ゆっくり写真を撮る時間がなかなか取れません。

しかし、前撮りや後撮りなら自分たちの好きなポーズや小物とともに写真を残せます。また、挙式はウエディングドレスを選ぶ方にも、白無垢での前撮り・後撮りが人気です。

ドレスも白無垢も、花嫁にとっては魅力的な衣装でしょう。白無垢を写真撮影で着用するのも選択肢のひとつです。

なお、白無垢を披露宴で着用したいと考える方には、関連記事「白無垢を披露宴で着るのはおかしい?着用のポイントやおすすめアレンジを紹介」にて着用のポイントを解説しています。ぜひご覧ください。

白無垢を着るときの注意点2つ

白無垢を着用するときの注意点を2つ紹介します。

  1. 色打掛を白無垢の後で
  2. 白無垢と綿帽子は挙式のみ

結婚式を正式に執り行うためにも、ぜひチェックしてみてください。

1.色打掛を白無垢の後で

お色直しをする場合、白無垢を先に着るのが基本です。白無垢には「婚家に染まる」という意味があります。

色打掛をお色直しで着用する場合、白無垢の後に着なければなりません。原則として色打掛の後に白無垢を着ることはできないというルールがあるので気をつけましょう。

なお、白無垢から色打掛に衣装チェンジする場合、中に着る「掛下着」を兼用できます。衣装替えが簡単であるため、白無垢を着用する場合のお色直しには、色打掛がよく選ばれています。

なお、白無垢からドレスにお色直しを考えている方は、関連記事「白無垢からドレスへ衣装チェンジする時間や意味・注意点を解説!お色直しに後悔しないポイントとは」をぜひご覧ください。

2.白無垢と綿帽子は挙式のみ

白無垢に綿帽子を合わせるのは、基本的に挙式のみ。綿帽子は挙式まで新郎以外に顔を見せないという意味があり、披露宴での着用はふさわしくありません。

ただし、角隠しは披露宴に選んでも良いとされています。綿帽子と角隠し、どちらも着用したい方は、挙式と披露宴で分けるのもおすすめです。

なお、綿帽子のメリットや角隠しとの違いが気になる方は、関連記事「白無垢に綿帽子を合わせるメリットや注意点・角隠しとの違いを解説!似合う人の特徴も紹介」にて詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

和婚には白無垢以外に「色打掛」もある!意味や歴史を紹介

色打掛の歴史は、室町時代から始まっていると言われています。上流階級の武家の娘が、防寒用に着用した着物が始まりとのことです。

色打掛が婚礼衣装として用いられる様になったのは、江戸時代に入ってから。当時は白無垢よりも格下と見られていましたが、現在は同格の正礼装となっています。

和婚で衣装チェンジをする場合、挙式で白無垢を、披露宴で色打掛を着用するのが人気のスタイルです。真っ白な白無垢から華やかな色打掛へと雰囲気を変えることで「生まれ変わる」という意味もあります。

白無垢から色打掛は、羽織を変えるだけで簡単に衣装チェンジができるのもおすすめポイント。和装であることに変わりはないため、ヘアスタイルやメイクも変えずに済みます。

白無垢で最高の結婚式を!歴史を理解して日本の伝統衣装を着てみよう

白無垢は室町時代から着用されるようになった婚礼衣装と言われています。白は穢れを払うとされており「婚家に染まる」「新しく生まれ変わる」といった意味も込められています。

白無垢は神前式や仏前式などの結婚式や、前撮り・後撮りで着用するのが基本です。着用シーンが限られているからこそ、より特別感が得られる衣装です。

日本の伝統的な衣装である白無垢を身にまとい、ぜひ最高の結婚式を挙げてください。

ザ・キモノショップでは、古典的で格調高いものから、現代風にアレンジしたデザインのものまでさまざまな衣装を揃えています。白無垢はもちろん、色打掛や男性用の紋付袴もラインナップ。小物もレンタルできるので、さまざまな組み合わせから最高のスタイルを選んでみてください。