結婚式の持ち込み料の請求は違法ではない?料金相場や交渉のポイントも解説
「結婚式の持ち込み料がかかるのは違法ではない?」
「持ち込み料の相場はどれくらい?」
「交渉はできる?正しいやり方が知りたい」
と悩んでいませんか。
結婚式場では、式場が用意したもの以外のものを持ち込む場合、料金が発生することがあります。
自分で用意したものを持ち込むだけなのにお金がかかるなんて、違法ではないのかと考える方も多いのではないでしょうか?
結論からいうと、式場が持ち込み料を請求すること自体は違法ではありません。しかし、場合によっては違法になるケースもあるため、これから結婚式を挙げる方は、持ち込み料についてしっかり把握しておくことをおすすめします。
本記事では、結婚式の持ち込み料について以下の内容を解説します。
- 結婚式の持ち込み料とは
- 持ち込み料の違法性について
- 持ち込み料の相場
- 結婚式場と交渉する場合のポイント
これから結婚式をおこなう予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
結婚式の持ち込み料とは
結婚式場への持ち込み料について、まずは基本を押さえておきましょう。
- 持ち込み料に該当しやすいもの
- 持ち込み料が発生する理由
2つの項目に分けて解説します。
持ち込み料に該当しやすいもの
持ち込み料は、持ち込むものの種類によって料金設定が異なるケースが多くあります。ここでは、持ち込み料が発生しやすいものをいくつか紹介します。
引き出物
引き出物を自分で用意する場合、持ち込み料を設定している式場は多いです。式場にあるものではなく、自分でこだわって選びたい方にとっては、制作費だけでなく追加の負担が発生するかもしれません。
ただし、自分で引き出物を安く用意できれば、持ち込み料が込みでも金額を抑えられる可能性があります。
衣装
衣装の持ち込みにも「保管料」といった名目で料金がかかることがあります。特に、衣装店も運営しているところでは、自社以外の商品を選ばれると利益が出ないため、持ち込み料を設定していることは多いです。
ただし、衣装は好みによるものが大きかったり、希望のサイズがなかなか見つからなかったりすることもあり、持ち込み料がかからない式場もあります。
衣装は特に費用がかかるポイントなので、事前にチェックしておくことがおすすめです。
ブーケや装花
ブーケや装花を、式場のものではなく自分で用意する場合も、持ち込み料が発生することが多くなっています。
テーブルを飾る装花については、そもそも持ち込み不可の式場もあります。結婚式は時間が限られているため、外部から花を持ち込むとセッティングがスムーズにいかない可能性があるのが理由のひとつ。
ブーケや装花にこだわりたい方は、持ち込みができるかどうか事前にしっかり確認しておきましょう。
ヘアメイクや着付けスタッフ
ヘアメイクや着付けのスタッフは、多くの式場で用意されています。外部のスタッフを呼ぶとなれば、持ち込み料がかかってくるでしょう。
式場によっては外部のスタッフは立ち入り禁止にしているところも。強いこだわりがなければ、式場のスタッフに依頼したほうがスムーズです。
カメラマン
外部のカメラマンに撮影を依頼する場合、別途料金が発生するケースが多くなっています。結婚式の流れを知らないカメラマンが出入りすると結婚式の進行の妨げになることもあるため、式場が用意したカメラマンを推奨していることがほとんどです。
場合によっては、外部のカメラマンでは撮影できない場所を設けていることもあります。
持ち込み料が発生する理由
結婚式場では、なぜさまざまな持ち込み料が発生してしまうのでしょうか。その理由を3つに分けて解説します。
- 式場と業者が提携しているため
- 円滑に式を進めるため
- トラブルを回避するため
1つずつ見てみましょう。
式場と業者が提携しているため
結婚式場は使用する商品やサービスを提供するにあたり、業者と提携しています。提携する業者は式場に協賛金を払い、下請けとしてサービスを提供しており、式場側は紹介した手数料としてマージンを受け取ります。
そのため、持ち込みされると式場側も提携業者も利益を得られません。利益を得られない代わりに、持ち込み手数料を設定しているのです。
円滑に式を進めるため
結婚式を円滑に進めるため、式場側は慣れたスタッフと連携したいと考えています。そこで外部の業者が入ってきたり外部のサービスを利用したりすると、予定通りに式が進まない可能性が。
外部のサービスを使わないように、手数料を設定している式場は多くあります。中には、式をスムーズに執り行うために外部サービスの利用を禁止しているケースも少なくありません。
トラブルを回避するため
持ち込みを許可すると、式場が把握していない外部の業者が簡単に出入りできてしまいます。そうなれば、予想していないトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
たとえば、外部の人間が入ってきて御祝儀を持ち出すといったトラブルが発生した式場もありました。また、外部の人間(カメラマンや美容スタッフ)の態度が悪いため、式場の評価が下がってしまう可能性もあります。
持ち込み料を設けてできるだけ外部サービスを利用しないようにするのは、式場側にも理由があるのです。
結婚式の持ち込み料に違法性はある?
結婚式の持ち込み料に違法性はあるのでしょうか。以下3つの項目に分けて解説します。
- 一般的な金額の場合、違法性はない
- 持ち込み料が高額の場合は違法の可能性がある
- 高額な持ち込み料の請求は消費者センターに相談する
1つずつ見てみましょう。
一般的な金額の場合、違法性はない
持ち込み料が高すぎる場合を除き、基本的に持ち込み料の支払いを禁止する法律はありません。
持ち込み料の請求に違法性はないため、式場から請求されたら払う必要があります。
また、持ち込みを禁止にする場合も違法性はないため、式場からNGが出ているものは基本的に持ち込めないと考えておきましょう。
持ち込み料が高額の場合は違法の可能性がある
持ち込み料自体に違法性はありませんが、あまりにも高額な金額を請求された場合「独占禁止法」や「消費者契約法」に該当する可能性があります。
独占禁止法とは、以下のような法律です。
「独占禁止法」は、正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます消費者の立場から見ると、市場において企業間の競争がなくなってしまうと、より安い商品やより良い商品を選ぶことができなくなるなど、消費者のメリットが奪われてしまいます。 「独占禁止法」は、このような行為を禁止している法律なのです。
引用:「こんなコトが起こると暮らしがあぶない! 企業の違反行為」(公正取引委員会)
そして、消費者契約法という法律は、以下のような内容です。
消費者が事業者と契約をするとき、両者の間には持っている情報の質・量や交渉力に格差があります。(中略)同法は、消費者契約について、不当な勧誘による契約の取消しと不当な契約条項の無効等を規定しています。
引用:消費者庁
たとえば、持ち込み料がかかるために式場のサービスを利用するように強制された場合、独占禁止法違反に該当する可能性があります。また、消費者である新郎新婦に対して不利な契約を強制的に交わすように働きかけられた場合、消費者契約法に抵触する可能性があるということです。
しかし、法律に詳しくない素人が判断するのは難しいため、法律違反だと感じたらプロに相談するのがいいでしょう。
高額な持ち込み料の請求は消費者センターに相談する
高額な持ち込み料を請求されたと感じる場合、自己判断で解決しようとするのではなくまずは消費者センターに相談することをおすすめします。
もし新郎新婦に対して不利な契約であると判断された場合、持ち込み料の取り決めが無効になる可能性があります。
「おめでたい結婚式でトラブルになるのは避けたい」と考える新郎新婦は多いでしょう。しかし、大切なイベントだからこそ不安な気持ちをすべて取り除き、晴れ晴れとした気分で結婚式を迎えたいものです。
持ち込み料について気になることがあれば、まずは専門機関に相談することで正しい対応策がわかります。
違法性のない金額とは?結婚式の持ち込み料の相場
持ち込み料は、一般的な金額であれば違法性はありません。では、一般的な金額とはいくらぐらいでしょうか。相場を見てみましょう。
- 衣裳(1着):3~10万円
- 引き出物(1個):300~500円
- ブーケ:5,000円~1万円
- スタッフ(撮影、美容など):1人あたり1~3万円
式場によって金額は異なりますが、上記が相場の目安です。持ち込むアイテムによって金額が変わるので、持ち込むのか式場のサービスを利用するのか検討する際の参考にしてみてください。
結婚式の持ち込み料を交渉する際の3つのポイント
結婚式の持ち込み料は、交渉することも可能です。受け入れてもらえるかは式場や条件次第ですが、正しいやり方で交渉することで成功率も高まるでしょう。
ここでは、交渉の際の3つのポイントを解説します。
- 値引き交渉は契約前に行う
- 見積もりの内容に不明瞭なものがある場合はしっかり確認する
- 持ち込み料以外の部分で交渉することも視野に入れる
それぞれ詳しく見てみましょう。
1.値引き交渉は契約前に行う
持ち込み料の値引き交渉をする場合、契約する前に行う必要があります。契約を交わしてしまうと、見積もりの内容に納得したとみなされるためです。
もし、契約後に「やっぱり納得できない」と値引き交渉をしても、受け入れてもらえない可能性が高いでしょう。
まずは見積もりをもらって、交渉すべき項目はないかチェックしてみてください。いくつかの式場を比較すると、交渉の余地があるポイントが見えてくるはずです。
2.見積もりの内容に不明瞭なものがある場合はしっかり確認する
値引き交渉を行う場合、見積もりの内容がすべて明確になっていないと交渉は難しいでしょう。
「持ち込み料を値引きしてほしい」ではなく「ドレスの持ち込み料が他社に比べると◯万円ほど高いので、値引きしてもらえないか」と交渉したほうが、考慮すべきポイントが明らかになります。
相場よりも高い部分があれば交渉に応じてもらえる可能性もあるため、見積もりをチェックして持ち込み料が不明瞭な場合はしっかり明示してもらいましょう。
3.持ち込み料以外の部分で交渉することも視野に入れる
持ち込み料は値引きできないと言われてしまった場合、他の部分でお得になるように交渉してみるのもひとつの方法です。
たとえば「式場でドレスを選ぶので、ワンランク上の衣装を適用してほしい」「追加のオプションを無料でつけてもらえないか」といった内容が挙げられます。
値引きが難しい場合は、何かサービスを付けてもらうといった方法もあります。持ち込み料の交渉がうまく行かなかったからと言って諦めず、他の方法も試してみて、納得した上で契約してください。
結婚式の持ち込み料は高額でなければ違法性はない
結婚式の持ち込み料について、一般的な金額であれば違法ではありません。もし、相場よりも高すぎる場合は消費者センターに問い合わせてみるといいでしょう。
不安や不満は契約する前に解消しておき、晴れやかな気持ちで結婚式を迎えたいものです。場合によっては値引き交渉に応じてもらえるケースもあるので、契約前に見積もりをしっかりチェックしてみてください。
なお 「ザ・キモノショップ」では、モダンでおしゃれな和装結婚式用の衣装を多数取り扱っています。リーズナブルにレンタルできるので、持ち込み料が発生する式場でもトータルの費用を抑えられる可能性があります。和装の結婚式を考えている方は、気軽にお問い合わせください。